どうも!RyeChemです!
今回の記事は公害防止管理者“大気一種”の各科目の抑えるべきポイントに関してです。
- あまりに範囲が膨大で抑えるべきポイントが分からない
- 出来るだけ効率よく勉強を進めたい
- まず、理解すべき箇所を知りたい
公害防止管理者の試験は水質も大気も同様で、直近の過去問からの問題の焼き増しが少ないです。
私は今まで、公害防止管理者(水質・大気)を始めとする様々な資格を受験し、一発合格してきました。
その中でも公害防止管理者は過去問を軸に勉強するのは他資格の場合より効果的でないと言えます。
(公式過去問集で5年は遡るべき。問題ではなく各選択肢全てを理解する勢いで。)
しかしながら、よく出る項目というのは存在します。
今回はその項目と、それを交えた各科目の攻略法に関して説明できれば、と思います。
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公害防止管理者(大気一種)の各科目別総評
まずは、公害防止管理者“大気一種”の各科目別の総評に関して記載していきます。
大気一種では受験する科目は“6科目”で、以下の通り。
大気一種の各科目総評
- 公害総論:簡単
- 大気概論:普通
- 大気特論:やや難
- ばいじん・粉じん特論:やや難
- 大気有害物質特論:簡単
- 大規模大気特論:普通(油断大敵)
基本的には、公害防止管理者も例に漏れず、『暗記系』の資格です。
ほとんどがテキストの内容を“暗記”することで、解くことができます。
しかしながら、3科目目、4科目目の“大気特論”、“粉じん・ばいじん特論”には計算があるので要注意。
私は計算が苦手なので、3科目目、4科目目はビビってました。
また、6科目目は範囲自体は少なめなのですが、最後の科目で息切れしやすいこと、急に内容の系統が変わること、で少し取り組みづらいです。
なので、難易度的には普通なのですが、ドツボにはまるとなかなか解けません。
また、出題傾向を変えやすいのも、油断大敵ポイントですね。
公害防止管理者(大気一種)の各科目ポイント
さて、公害防止管理者(大気一種)の各科目ポイントに関して説明していきます。
あくまで、私の経験を交えたポイントですが、参考になればと思います。
公害総論
一科目目は公害総論。
公害総論は水質との共通科目なので、水質・大気の両方の取得を目指す方は、一方が免除になります。
私は水質から取得しており、大気では免除だったのですが、必死に勉強してしまったので、個人的に問題を解きましたとさ。
公害総論の特徴
公害総論の特徴に関しては、大まかに以下2つ。
- 法関係の記述がかなり多く出てくる。
- グラフや〇〇の序列が多く出てくる。
公害総論に関しては割と単純で、“暗記あるのみ”。
そして、暗記の傾向も偏っているので、それほど難しくないと思います。
公害総論のポイント
さて、上述の傾向を踏まえた上で、ポイントを言うのなら…。
- 法律・条文の暗記は必須
- グラフの推移と数値の序列は確実に覚えること
特に、法関係の記述、条文の丸暗記は欠かさずすべきです。
なぜなら、単語の穴抜き問題が条文を丸暗記が出来ていないと非常に難しいからです。
逆に言えば、他の問題はぼんやり覚えていても消去法や直接回答を見つけられることが多いです。
ただ、法律・条文に関しては細かな単語を抜かれ、紛らわしい語彙欄から選択するので、確実に覚えていく必要があります。
頻出な条文すら10個ほどあるので、過去問で出題された条文だけでは不十分だったりします。
不意を突かれて、全く分からない…。なんてことにならないよう、出題されてない箇所も覚えていきましょう。
次に、グラフの推移や序列に関してですが、こちらは正確な数字(一桁まで)は覚えなくとも良いです。
特に大切なのが、『序列』と『最大』です。
全ての事柄に対して、1位は〇〇、2位は××…。と頭の片隅に入れておきましょう。
序列さえ記憶できていれば、公害総論の4-5問は選択肢を大幅に削れるはずです。
ココがポイント
項目としては、最近の環境問題からは多く出題される傾向にあります。
時間が足りなければ、取り敢えずここを重点的に攻める事をオススメします。
大気概論
2科目目の大気概論ですが、1科目目の公害総論と似通った部分があります。
1科目目の公害総論の“大気部分”に焦点を当てたのが大気概論です。
なので、1科目目で出題されてた大気関係の話は2科目目でも出題されます。
ということで、大気概論は範囲は広いですが、実際には公害総論を勉強していれば既に多少の知識は身についた状態です。
大気概論の特徴
大気概論の特徴は以下の通り。
- 出題範囲が広い
- 出題範囲から満遍なく出題される
- 各々の大気汚染に係る物質の特徴を網羅的に覚える必要性がある
ココがポイント
大気総論の特徴はとにかく出題範囲の広さと満遍なく出題されること。
問題数が10問であり、少ないのでカバーしていない範囲がいくつか出ると不合格になる可能性があります。
大気概論のポイント
上述の通り、大気総論は出題範囲が広いです。
なので、範囲内の内容を確実に覚えるのがベストですが、まずはざっくりと全体に目を通しておくことが重要です。
『大気汚染防止法』・『管理者法』・『環境基準』・『大気汚染の現状』・『汚染の発生機構と発生源』・『汚染の影響』の“6つ”の項目が主です。
中でも環境基準に関してはほぼ毎年出題されており、簡単に覚えられるので確実に1点取りに行きましょう。
大気特論
3つ目の大気特論は計算問題が出題されます。
計算が苦手な方に関しては難易度は難しく感じるかも知れませんね。
しかし、問題数は15問あるので、不安定要素は少なめ。
大気特論の特徴
大気特論の特徴は以下の通りです。
- 計算問題がほぼ毎年、多い時には3題(/15題)出題される。
- 装置や、手法、分析まで幅広く覚える必要がある。
ようやく、一発合格率1桁%と言われる資格の片鱗を見せてきました。
覚えるのが結構重く、その上計算もあるという3科目目。
大気特論のポイント
- 計算問題は要チェック。超絶苦手なら例題レベルまでは解けるようにする。
- 計算問題以外は割と満遍なく出題されるが、特に分析法は細かい所まで覚える必要がある。
燃焼の計算に関してはほぼ確実に出題されるので要チェックです。
その難易度は例題レベルの基礎から応用の効いた問題まで様々。
計算が本当に苦手で無理…。という方は例題レベルまで覚えて他を取りに行くと良いでしょう。
計算を落としても十分カバーできます。
計算問題以外は、全部“暗記”ですが、系統はバラバラ。
装置の概要、技術の手法、分析方法など。
特に分析方法は『数値』・『試薬名』・『手順』・『妨害物質』など、細かく選択肢に挙げられます。
そのため分析に関しては全て暗記するつもりで、挑んでください。
他は漠然と覚えていても、消去法である程度は取れます。
ばいじん・粉じん特論
ばいじん・粉じん特論は3科目目の大気特論と少し似ています。
計算問題があり、様々な系統の暗記に加え、分析方法。
ここを乗り切れば後は軽めなので頑張りましょう。
ばいじん・粉じん特論の特徴
ばいじん・粉じん特論の特徴は以下の通り
- 複雑な公式が出現
- 出題傾向が大きく偏っている
正直私はこの科目は苦手でした。その理由は文字式をひたすら覚える必要があったから。
ただ、出題傾向が偏っているのと、問題数が15問あるのが救い。
ばいじん・粉じん特論のポイント
以上を踏まえて、ばいじん・粉じん特論のポイントは以下の通り
- 文字式は覚えないと多くの選択肢を消去できないので、確実に。
- 装置に関する出題が非常に多いので重点的に。
- 測定技術が混同しがちなので注意する。
ココがポイント
この科目でのポイントは『文字式』を確実に覚えること。
暗記した文字式に関連する項目が各装置のパラメータ。
装置に関する出題が非常に多いのも相まって、『文字式』を暗記することは合格への近道。
ちなみに、文字式に関する問題は…。
AはBに比例する、2乗に比例する、反比例する等や、Aを表す文字式はどれ?
のような形で出題されるので、覚えてなければ難しいことが分かると思います。
測定技術に関しては、そもそも測定技術自体を覚える事がハードな上に、このばいじんに関しては混同しやすいです。
気体燃料の場合、液体燃料の場合、固体燃料の場合や排ガス中の場合など。
それぞれ分析・測定方法が異なるので、各々覚える必要があります。
大まかに排ガス中のSO2がほぼ毎年出題されているなど傾向がありますが、できることなら全て覚えましょう。
出題されなかった測定方法は揮発性有機化合物(GC法)のみで、それ以外は頻度に寄らずほぼ出題されてるからです。
大気有害物質特論
5科目目の大気有害物質特論は範囲も狭く、軽めです。
暗記する項目は多いですが、化学系出身であれば既存知識が役立つことも多いです。
大気有害物質特論の特徴
大気有害物質特論の特徴は以下の通り。
- 化合物の物性の知識が必要
- 分析方法が混同しがち
この科目は特に難しさはなく、他の科目で6割取れる用意があるのなら特筆すべき点はないです。
分析方法だけ、混同しがちなので注意しましょう。
大気有害物質特論のポイント
大気有害物質特論のポイントは以下の通りです。
- 化合物の物性は特徴的な部分だけで十分通用する。
- 分析方法は4物質についてのみだが、詳細に覚える。
特に分析方法に関しては出題率が高く、引っ掛け的な問題も多くあります。
混同を狙うような選択肢があるので、確実に覚えていきましょう。
また、特定物質に関する問題が出題されますが、物質数が多いからと言って難しくはありません。
何故なら特徴的な部分を覚えているだけで解けることが殆どだからです。
例えば、引火点・爆発下限・水溶性・沸点などなど。
その物質を表し、他の物質にはない特徴ほど選択肢に挙がりやすいので積極的に覚えましょう。
大規模大気特論
最後に大規模大気特論です。
大規模大気特論は今までの5科目とは違った癖のある科目です。
大規模大気特論の特徴
大規模大気特論の特徴は以下の通り。
- 理解するのが難しい項目が多い。
- 出題項目が2分されている。
後半に関しては後述するとして、1つ目に関して言えば、文章の読解に少し苦戦します。
また、難解な数式等も登場するので、なんのことやら…。となりがちです。
大規模大気特論では今までの科目で学んだ事柄の実践編であり、障害物のある場所での煙の流れや濃度変化など、リアルな数値算出等の話です。
高度な計算により求めているのだから我々が理解できるはずもなく、話として目を通しましょう。
大規模大気特論のポイント
大規模大気特論のポイントは以下の通り。
- 出題される項目が2分されており、どちらかを完答出来れば合格に近づく。
- 拡散モデル等の式まで覚える必要性。
大規模大気特論では汚染物質の『拡散』に係る問題と、『対策事例』に係る問題に二分されています。
『拡散』は『対策事例』に比べれば、範囲が広く(3倍程度)、内容を難しめです。
ココがポイント
一方、『対策事例』は『特論』と重複する部分もあり、範囲も狭いのにもかかわらず、平均4題出題されます。
つまり、こちらを完答できれば、残すは2問/6題の正答率で合格に持っていくことが出来ます。
また、大規模大気特論の『拡散』は今まで初期的な問題が多く出題されていたため、取るに足らずといった感じでした。
しかし、令和3年度(私が受験した年)では今までと傾向が変わり、式の意味合いや細かい箇所も問われました。
(これまで慣例的に出題されていた簡単な計算問題もなし。)
大規模大気特論では出題される内容とされない内容がはっきり分かれていた印象でしたが、まだまだ出題傾向を変える余地がありそうです。
最後の科目ということに加えて、内容的にも少し飲み込みづらいので、つい雑に目を通してしまいがちです。
『拡散』も全体的に把握する必要がありそうです。