どうも、RyeChemです!
今回の記事は【年代別平均年収:化学メーカー(総合職)の給与水準】です。
就活や転職をする際に労働条件、特に給与は非常に大切なパラメータでしょう。
給与は業界に依存する傾向にあるので、“化学業界”の場合はどうか?をご紹介します。
※私、または大学時代の同期などリアルな知人の実際の話から一般化した年収を公開していきます。
- 化学業界への就活・転職の参考にしたい
- 実際に給与がどれぐらいもらえるか知りたい
- 化学メーカーの水準は世間一般と比較してどうか知りたい
Contents
年収を比較する際の注意点
ネット上で簡単に年収に関する情報は入手できますが、「実際に話を聞くor入社すると全然違う…。」ということは多々あります。
年収サイトが公開する各会社の年収は会社が公開する『平均年収』・『平均年齢』・『初任給』等からの推測値だからです。
純粋に業界間の大まかな比較であれば、傾向は見えてくるでしょう。
ただ、業界内の詳細な年収情報を知りたいのであれば、実際の意見を知るのが吉。
ということで、実際に化学メーカーに就職した私が業界の給与に関して公開していきます。
注意ポイント
結論から言うと、化学メーカー総合職の給与は上位10%水準にも到達するほどの高水準だったりします。
業界研究/各社の企業研究の定番“四季報”の徹底攻略はコチラ!
【就活攻略】初期段階の定番“四季報”の必見ポイント徹底解説~周りの就活生に差をつけろ~
どうも、RyeChemです! 今回の記事は【就活攻略:初期段階の定番“四季報”の必見ポイント徹底解説】です。 “就活四季報”は各業界、各企業の表面上のデータがまとめられてお ...
続きを見る
化学業界の平均年収・給与水準事情
化学業界の給与水準自体は業界全体で平均に位置します。
業界内の平均給与と“一般職”、“総合職”の給与平均の意味合いが異なることを知っておきましょう。
化学メーカー(製造業)は年収が低く見える?
製造業全般に共通することなのですが、基本的に平均年収は低く見積もられます。
なぜなら、一般職の比率が比較的高いことが理由の一因としてあります。
化学メーカー含む製造業では、製造現場では高卒(一般職)が多く、研究その他では大卒・院卒(総合職)が多いのです。
一般職と総合職では給与水準(給与カーブ、昇格速度など)が異なるため、給与に開きが生まれます。
企業の平均年収は基本的にその合算で表されるので、従業員の構成比率により業界間に差が生まれます。
つまり、院卒/大卒がメインとする総合職採用であれば、単純な企業の平均年収掲載情報よりも高い給与が貰えると認識で問題ありません。
インセンティブ(成果給)が反映しづらい業界
化学メーカー含む製造業は仕事の性質上、一般社員のインセンティブを反映しづらい業界と言えます。
例えば、保険金融などのように契約を何件取れた、とか明確な指標が付けづらいんですね。
研究職の目線で言えば、探索研究や改良研究と言ったテーマで達成難易度は大きく変わります。
その達成進度を一様な基準で評価するのが難しいため、今でも横並びの評価をする企業が多く存在します。
成果を定量的に評価しにくい業界/業種では、日本独自の“年功序列”の仕組みを色濃く反映しています。
なので、他者より“頑張りの差”で圧倒的に稼ぐというのは難しい業界であると認識してください。
裏を返せば、成果を挙げれない人間でも一定水準までは右肩上がりで給与は伸びるということです。
化学メーカーは薄利多売で一人当たりの利益率がそれほど高くない
化学業界は業界規模も大きいですが、それ以上に携わる従業員数も多いです。
また、保険金融業のような高利益業界ではなく、薄利多売の商売が多く存在します。
※信〇化学のような一部企業は例外です。
特に大手化学メーカーになるほど、川上製品も多く、薄利多売の傾向が見られます。
つまり、一人当たりの利益率という観点から見れば、それほど高くないことが分かります。
平均年収が業界依存なのは、この寄与も大きいのです。
化学メーカーの総合職の年収・給与水準は?~各年代別給与水準比較~
さて、業界の事情を理解して頂いた上で、本題の給与水準に参りたいと思います。
今回の記事では“上場企業”の中で、“中位以上(いわゆる大手)”と“中位以下(中堅)”に場合分けをして公開していきます。
※私は前者カテゴリーの企業に勤めているので、そちらの情報確度の方が高いことはご認識お願いします。
そして、今回の給与水準は残業時間20時間/月の設定で概算しています。
ポイント
残業時間は企業体質、職場次第で大きく変わり、残業の有無で年収100万前後ゆうに変化します。
加えて、みなし残業の制度も各社独自性があるので、同残業時間でも給与への反映具合も異なります。
同規模の企業間は勿論、同一企業内でも職場により平均年収には結構な差を生むことを認識しましょう。
今回はバラつきを軽減すべく、あくまで一定値(残業20hr/月想定)で比較することとしました。
ちなみに、全企業中の上場企業の存在比は極めて低い(0.1%以下)です。
しかしながら、上場企業に勤めている人の割合で見た場合には、3割程にも上ります(従業員数が多くなるため)。
上場企業へは容易に転職可能であり(やる気さえあれば)、上場企業勤めは普遍な存在です。
中小零細企業のデータは不明瞭&年収差が大きいため、今回は上場企業のみの指標とさせてもらいます。
各年代の給与水準に関しては“duda”が公開する平均年収ランキング(2021/9~2022/8)を参考にさせて頂きます。
【年代別・年齢別】平均年収ランキング 最新版 |転職ならdoda(デューダ)
※2022年は日本全体で各社賃上げ方向に進んでおり、その動向を反映しました。
doda開示情報は2022年の賃上げ推進前のため乖離が大きくなっております。
化学メーカーの20代の平均年収・給与水準は?
日本における20代の平均年収は342万円です。
平均年収とおおよそ一致するのが25歳時点(346万円)です。
しかし、院卒総合職の場合には1年目(25歳)で半期分のボーナスが反映されてないので、26歳時点で比較します。
26歳時点での日本の平均年収は351万円
“大手”化学メーカー総合職の26歳時点での平均年収は約500万~600万です
“中堅”化学メーカー総合職の26歳時点での平均年収は約400万~500万です。
※残業20時間/月 程度の場合。(ブラック企業or職場であればさらに100万程度の上乗せ可能)
20代の年収分布で言えば、おおよそ上位10%水準です。(大手水準の場合)
化学メーカー30代の平均年収・給与水準は?
日本における30代の平均年収は435万円です。
平均年収とおおよそ一致するのが34歳時点で434万円です。
34歳時点での日本の平均年収は434万円
“大手”化学メーカー総合職の34歳時点での平均年収は約750万~850万です
“中堅”化学メーカー総合職の34歳時点での平均年収は約600万~750万です。
※残業20時間/月 程度の場合。(ブラック企業or職場であれば150万~200万の上乗せ可能)
30代の年収分布で言えば、おおよそ上位10%水準です。(大手水準の場合)
化学メーカーでは一般的に34歳は主任クラスとしてます。
研究職で言えば、管理職一歩手前であり、実験者や作業者をまとめるリーダー的な役割なことが多いです。
細分化された小さなテーマを任されるテーマリーダーポジションですね。
実験の作業者としての位置づけ、部下のマネージメント職としての位置づけの丁度間に位置しています。
化学メーカー40代の平均年収・給与水準は?
日本における40代の平均年収は495万円です。
平均年収とおおよそ一致するのが44歳時点で495万円です。
44歳時点での日本の平均年収は495万円
“大手”化学メーカー総合職の44歳時点での平均年収は約1000万~1300万です
“中堅”化学メーカー総合職の44歳時点での平均年収は約800万~1000万です。
40代の年収分布で言えば、おおよそ上位5%水準です。(大手水準の場合)
化学メーカーでは一般的に44歳は(正)課長クラスとしてます。
管理職ポジションである課長にもなれば、平社員であった時の年収からポンッと上がります。
化学メーカーでは年功序列が色濃く根付いていますが、管理職クラスでは成果主義の評価になる場合が殆どです。
そのため、同クラスの役職でも年収に差異が生まれます。
基本的に、どの年収サイトを見ても平均値として限定的な数値が提示されていますが、結構な幅を持つと考えた方が良いでしょう。
ちなみに弊社では、順調にいけば40歳手前で課長(補佐)あるいは課長クラスまで昇格しますので、30代で1000万プレーヤーが見えます。
同期の中で順当にストレート昇格できるのは半数以下ですが、経年で課長(補佐)クラスへは大体たどり着けます。
課長クラスでは主にマネージメント業務が主になり、実験業務から離れます。
研究の道を究めるルートの課長職も企業によっては存在しますが、多くの場合はこの時点でデスクワークは急増します。
化学メーカー50代の平均年収・給与水準は?
日本における50代の平均年収は596万円です。
平均年収とおおよそ一致するのが54歳時点で586万円です。
54歳時点での日本の平均年収は6586万円
“大手”化学メーカー総合職の53歳時点での平均年収は約1300~1600万です
“中堅”化学メーカー総合職の53歳時点での平均年収は約1000万~1200万です。
50代の年収分布で言えば、おおよそ上位10%水準です。(大手水準の場合)
50代になると総合職採用の人の多くが役職(課長~)に就いています。
ここでは部長クラスの年収として、平均値を算出しています。
しかし、課長や部長など管理職では自らの貢献度によりその後の昇格は決定しうることを知っておくべきでしょう。
多くの場合、管理職ともなれば年功序列は適用されにくく、課長クラスで止まる人も多いです。
その場合には40代の平均年収+αあたりの数値になるでしょう(実質の昇格がないため)。
特に大手メーカーではポストにも限りがあるため、課長までは大抵到達できますが、部長以後は狭き門です。
さらに、大手メーカーの役員ともなれば年俸は5000万円を超えます。
※総額1億円を超える役員報酬は各社開示義務があり、推定額を知ることが可能でした。
中堅メーカーでも2000万~5000万円ほどはあるようですね。
ただし、一般社員あるいは役職とは異なり大きく業績に連動する性質を持つので、各年度でバラつきはあります。
まとめ
いかがでしょうか。
勿論、上場企業の中でも“大手”、“準大手”、“中堅”等はあります。
企業の柱の製品が医農薬、素材、精密合成品、完成品などで売上・利益率等は変動します。
なので一人当たりの利益率も変わってきます。
しかしながら、化学メーカーの総合職が上位水準である事は変わらぬ事実かと思います。
管理職まで到達できれば、会社員の大台1000万プレイヤーは目指せる業界ではあります。
興味があれば、化学の道に。同じく研究の道に来ていただければ嬉しいですね。
【転職向け】登録はコレだけ!転職サイト・エージェントの厳選オススメ3選
どうも、RyeChemです! 今回の記事は数ある転職サイト・エージェントのうち、登録はこれだけでいい!と言える厳選したオススメ3選を紹介します。 転職は今の時代、当たり前の ...
続きを見る